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2012.03/23(Fri)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(9)

このシリーズの(2)(4)でも話題にしたけれど喫煙者が国民医療費のお荷物になっているという話。立派な学術論文の題材にもなっているようなので、びっくりしたよ。

Hayashida, Imanaka, et al. Health Policy 94 (2010) 84–89.
Difference in lifetime medical expenditures between male smokers and non-smokers

の「結論」を和訳しておく。責任著者は京大医学部 今中雄一教授(医療経済学)。

喫煙は生涯医療費を増加させない可能性がある。喫煙者は非喫煙者に比べ生涯医療費が低いからだ。
しかし、喫煙者、特に生存者は非喫煙者に比べ年間医療費が高いことがしばしばある、ということは明らかだ。
タバコ規制の重要性は依然として意義のあることだ。


何か笑えちゃう結論だね。

喫煙者の生涯医療費が非喫煙者より低いならば、喫煙を奨励すれべいいのに、ね
試算と最終結論が矛盾しちゃってます:国民医療費の総額を減らしたいんじゃなかったのかな?

この矛盾を好意的に解釈すると、禁煙キャンペーンを張る厚労省の科研費の援助を受けた研究だから、厚労省には不満な試算結果を覆い隠すための「しかし」や「最終結論」なのかな、ということだね。面従腹背ってやつ?

もう一つの解釈は、国民の健康こそ大切だ。したがって、(禁煙効果によって)国民医療費の負担がどれだけ大きくなろうと、禁煙を薦めるべきだ、というのかな?まぁ、それなら、この研究をすることの意味も初めからないわけで。

いずれにしろ、『タバコ規制の重要性は依然として意義のあることだ。』という政治的な発言は、学術論文にはふさわしくないなぁ・・・、と感じます。まぁ、Health Policyという誌名からすりゃ、いいのだろうけれど。

なお、この論文における試算は医療費だけのもので、喫煙者が支払わされているたばこ税は考慮されていない。
また、喫煙者40歳時点での損失寿命(損失余命)は3.5年とされている(期待余命39.6歳対43.1歳)。

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テーマ : このままで、いいのか日本 - ジャンル : 政治・経済

tag : イデオロギー 禁煙 全体主義 ファシズム 喫煙

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2012.02/17(Fri)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(8)

昨日と同じように(ジャパニーズパラドックス(7)、「都道府県別統計とランキングで見る県民性」から喫煙リスクに関する未知の交絡因子(シリーズ(1))を探ってみたいと思います。

今回はよりコンパクトな表にまとめました。主として食品に注目し、そのうち決定係数0.14以上のもののみを記載しました。
このまとめからすると、癌死亡リスクについて喫煙に関する交絡因子となりうるのは黄色のマーカーで示した三つ、睡眠時間、食塩消費量、インスタントラーメン消費量になります。

ただし、癌死亡者数は高齢者数と非常に強く相関し、決定率は80%以上です。
癌が基本的に高齢者の病気であることから、これは当然といえば当然のことですが、その他の因子に比べ圧倒的な決定率を示していることは、禁煙キャンペーンに限らずさまざまな危険因子を問題にするとき、看過されやすい点ではないでしょうか。

意外だったのは「睡眠時間」です。これは、おそらく睡眠時間そのものではなく生活スタイル全般を代表している一つの指標なのかもしれません。下の表にも明らかですが、癌死亡者数の多い都府県ほど金銭的には貧しい、というイメージが浮かび上がっています(県民所得、最低賃金などの項目をみてください)。

念のために申し添えますが、私はここで断定的なことを述べようとしているのではなく、例えば喫煙リスクについて未知の交絡因子の存在を頭から否定したような疫学研究は危険ではないか、という警鐘を鳴らす意味で、いろいろなデータを紹介しているつもりなのです。

先日、牛乳キャンペーの謎シリーズを始めましたが、「都道府県別統計とランキングで見る県民性」のデータをみると面白い事情が(つまり、私が思ってもみなかった事情)が浮かび上がってきました。次回に紹介したいと思います。
ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ]
喫煙率:男性 [ 2007年第一位 青森県 ]
項目 相関係数
(r)
決定係数
(r2)

項目 相関係数
(r)
決定係数
(r2)
高齢者数 [ 2009年第一位 島根県 ] 0.91 0.83
サケ消費量 [ 2009年第一位 青森県 ] 0.56 0.31
睡眠時間 [ 2006年第一位 山形県 ] 0.59 0.35
炭酸飲料消費量 [ 2009年第一位 青森県 ] 0.56 0.31
しょう油消費量 [ 2008年第一位 山形県 ] 0.56 0.32
サンマ消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.55 0.30
砂糖消費量 [ 2008年第一位 長野県 ] 0.51 0.26
納豆消費量 [ 2008年第一位 福島県 ] 0.53 0.28
サバ消費量 [ 2008年第一位 島根県 ] 0.50 0.25
インスタントラーメン消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.50 0.25
食塩消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.50 0.25
豚肉消費量 [ 2008年第一位 秋田県 ] 0.45 0.20
アジ消費量 [ 2008年第一位 長崎県 ] 0.47 0.22
食塩消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.45 0.20
酢消費量 [ 2008年第一位 鹿児島県 ] 0.47 0.22
カレールウ消費量 [ 2008年第一位 佐賀県 ] 0.39 0.16
老衰死亡者数:男性 [ 2006年第一位 長野県 ] 0.46 0.22
睡眠時間 [ 2006年第一位 山形県 ] 0.37 0.14
イカ消費量 [ 2008年第一位 島根県 ] 0.45 0.21
味噌消費量 [ 2008年第一位 長野県 ] 0.37 0.14
日本酒消費量 [ 2008年第一位 新潟県 ] 0.43 0.19
労働時間 [ 2006年第一位 福井県 ] 0.37 0.14
インスタントラーメン消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.39 0.15
平均寿命:男性 [ 2005年第一位 長野県 ] -0.40 0.16
現役医師数 [ 2006年第一位 京都府 ] 0.34 0.12
イワシ消費量 [ 2008年第一位 鳥取県 ] -0.41 0.17
人口密度 [ 2005年第一位 東京都 ] -0.42 0.18
牛肉消費量 [ 2008年第一位 和歌山県 ] -0.45 0.21
マグロ消費量 [ 2008年第一位 静岡県 ] -0.42 0.18
パン消費量 [ 2008年第一位 京都府 ] -0.46 0.21
チーズ消費量 [ 2009年第一位 埼玉県 ] -0.47 0.22



ミネラルウォーター消費量 [ 2009年第一位 沖縄県 ] -0.49 0.24



紅茶消費量 [ 2009年第一位 栃木県 ] -0.50 0.25



県民所得 [ 2006年第一位 東京都 ] -0.50 0.25



通勤時間 [ 2006年第一位 千葉県 ] -0.57 0.32



最低賃金 [ 2009年第一位 東京都 ] -0.60 0.37



平均寿命:男性 [ 2005年第一位 長野県 ] -0.61 0.38





テーマ : 科学・医療・心理 - ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 喫煙 発癌リスク 交絡因子

12:13  |  喫煙  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02/16(Thu)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(7)

疫学研究の方法論上における基本的な欠陥の一つは、危険因子候補に連動する未知の交絡因子(シリーズ(1))の存在でしょう。
この日本パラドックスシリーズの(1)(6)で紹介したように、Eysenckとその同僚は半世紀も前にパーソナリティをリスク因子としてとらえ、喫煙リスクを評価するためには交絡因子としてパーソナリティを参入させなくてはいけないことを実証しました。

また、60年前後に開始された7か国研究が示すように(シリーズ(5))、日本では喫煙によるリスクが認められない(ジャパニーズパラドックス)という不思議が有名でした。これには、肉や酪農製品を摂らないといった日本的な食事が関係しているのかな、という予想が十分に立ちます。

喫煙リスクと連動する交絡因子を探るため、今回は面白いサイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」から一覧表を抜き出し、下の表にまとめてみました。

この相関関係では、二つの因子の間だけ(例えば喫煙率対肺がん死亡率)の単純な関係を求めています。全く相関関係がなければ相関係数は0、100%の正の相関で+1、負の相関で-1です。その右隣の決定係数は相関係数の二乗で、例えば喫煙率の31%はサケ消費量で説明できる、と考えます。それぞれの項目をクリックすると、上記サイトに飛び、その項目の都道府県別の分布が地図上に表記されるとともに、その項目と相関関係の高い項目も表示されます;優れもののサイトです、感謝しています。

注目される一点は、喫煙率と癌死亡数、心臓病死亡数、脳梗塞死亡数などは、少なくとも県どうしを比較する限りにおいてはほとんど関係ない、ということです。脳梗塞では若干の関係が認められますが、決定率は8%にすぎません。

意外な交絡因子として考えられるのは、医師の数です。喫煙率の高い府県ほど医師数は少ない。疫学研究で喫煙リスクが高くなる原因の一つ(交絡因子)として、医師による診療、治療が受けにくい事情が考えられる。面白いですね。盲点でしょうか?(ちょっと楽観的過ぎました。上記サイトで調べてみると癌死亡数対現役医師数の相関係数は+0.34でした。)

一方、喫煙率が高いほど、食塩や味噌、カレーの消費量が高く、また労働時間も長い。こうした因子を交絡因子として算入すれば喫煙リスクは消失する可能性が十分にありますね。

また、喫煙率が高いほど、緑茶の消費量やスポーツ活動率が低い。これも是非とも交絡因子として研究してほしいところです。

喫煙率:男性 [ 2007年第一位 青森県 ]
記事 相関係数(r) 決定係数
(r2)
サケ消費量 [ 2009年第一位 青森県 ] 0.56 0.31
炭酸飲料消費量 [ 2009年第一位 青森県 ] 0.56 0.31
サンマ消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.55 0.30
納豆消費量 [ 2008年第一位 福島県 ] 0.53 0.28
ラーメン店舗数 [ 2009年第一位 山形県 ] 0.50 0.25
年間雪日数 [ 2010年第一位 北海道 ] 0.50 0.25
インスタントラーメン消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.50 0.25
年間降雪量 [ 2011年第一位 青森県 ] 0.49 0.24
豚肉消費量 [ 2008年第一位 秋田県 ] 0.45 0.20
食塩消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.45 0.20
火災死亡者数 [ 2007年第一位 青森県 ] 0.40 0.16
カレールウ消費量 [ 2008年第一位 佐賀県 ] 0.39 0.16
睡眠時間 [ 2006年第一位 山形県 ] 0.37 0.14
味噌消費量 [ 2008年第一位 長野県 ] 0.37 0.14
労働時間 [ 2006年第一位 福井県 ] 0.37 0.14
アイスクリーム・シャーベット消費量 [ 2008年第一位 石川県 ] 0.32 0.10
すし店店舗数 [ 2006年第一位 山梨県 ] 0.31 0.09
自動車普及率(2台以上) [ 2009年第一位 長野県 ] 0.30 0.09
果物消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.30 0.09
自殺者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.29 0.09
大腸ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.29 0.09
日本酒消費量 [ 2008年第一位 新潟県 ] 0.29 0.08
脳梗塞死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.28 0.08
イカ消費量 [ 2008年第一位 島根県 ] 0.27 0.08
自動車登録台数 [ 2008年第一位 長野県 ] 0.27 0.07
胃ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.23 0.05
大腸ガン死亡者数:女性 [ 2006年第一位 島根県 ] 0.23 0.05
交通事故死亡者数 [ 2007年第一位 香川県 ] 0.23 0.05
マグロ消費量 [ 2008年第一位 静岡県 ] 0.20 0.04
チーズ消費量 [ 2009年第一位 埼玉県 ] 0.19 0.04
狭心症・心筋梗塞死亡者数:男性 [ 2006年第一位 和歌山県 ] 0.18 0.03
前立腺ガン死亡者数 [ 2010年第一位 長野県 ] 0.17 0.03
食用油消費量 [ 2008年第一位 福島県 ] 0.15 0.02
教職員数 [ 2009年第一位 島根県 ] 0.11 0.01
ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.09 0.01
2005年完全失業率 [ 2005年第一位 沖縄県 ] 0.08 0.01
薬局数 [ 2008年第一位 佐賀県 ] 0.08 0.01
しょう油消費量 [ 2008年第一位 山形県 ] 0.08 0.01
バター消費量 [ 2009年第一位 北海道 ] 0.05 0.00
カツオ消費量 [ 2008年第一位 高知県 ] 0.04 0.00
チョコレート消費量 [ 2008年第一位 石川県 ] 0.04 0.00
うどん・そば消費量 [ 2008年第一位 香川県 ] 0.04 0.00
肺ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 和歌山県 ] 0.03 0.00
老衰死亡者数:男性 [ 2006年第一位 長野県 ] 0.02 0.00
狭心症・心筋梗塞死亡者数:女性 [ 2006年第一位 栃木県 ] 0.02 0.00
温室効果ガス排出量 [ 2007年第一位 山口県 ] 0.00 0.00
性犯罪認知件数 [ 2010年第一位 大阪府 ] -0.03 0.00
歯科医師数 [ 2006年第一位 東京都 ] -0.03 0.00
ビール消費量 [ 2008年第一位 高知県 ] -0.04 0.00
高齢者数 [ 2009年第一位 島根県 ] -0.04 0.00
コーヒー消費量 [ 2009年第一位 奈良県 ] -0.04 0.00
スポーツクラブ [ 2010年第一位 長野県 ] -0.09 0.01
県民所得 [ 2006年第一位 東京都 ] -0.10 0.01
牛乳消費量 [ 2009年第一位 埼玉県 ] -0.14 0.02
年間自然放射線量 [ 1988年第一位 岐阜県 ] -0.14 0.02
最低賃金 [ 2009年第一位 東京都 ] -0.14 0.02
食事時間 [ 2006年第一位 東京都 ] -0.16 0.02
読売新聞販売部数 [ 2010年第一位 埼玉県 ] -0.16 0.02
酢消費量 [ 2008年第一位 鹿児島県 ] -0.17 0.03
空気清浄機普及率 [ 2009年第一位 奈良県 ] -0.18 0.03
肝臓ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 佐賀県 ] -0.18 0.03
教育費 [ 2008年第一位 埼玉県 ] -0.18 0.03
魅力 [ 2010年第一位 北海道 ] -0.18 0.03
学習塾・予備校費用 [ 2008年第一位 埼玉県 ] -0.18 0.03
1世帯あたり貯蓄額 [ 2008年第一位 奈良県 ] -0.19 0.03
砂糖消費量 [ 2008年第一位 長野県 ] -0.19 0.03
精神科医師数 [ 2006年第一位 佐賀県 ] -0.19 0.04
年間晴れ日数 [ 2010年第一位 香川県 ] -0.20 0.04
白血病死亡者数 [ 2009年第一位 鹿児島県 ] -0.21 0.04
鶏肉消費量 [ 2008年第一位 大分県 ] -0.23 0.05
100歳以上高齢者:男性 [ 2009年第一位 高知県 ] -0.25 0.06
スポーツ活動率 [ 2006年第一位 宮崎県 ] -0.28 0.08
ミネラルウォーター消費量 [ 2009年第一位 沖縄県 ] -0.28 0.08
産経新聞販売部数 [ 2010年第一位 奈良県 ] -0.29 0.08
無印良品店舗数 [ 2009年第一位 滋賀県 ] -0.29 0.08
アジ消費量 [ 2008年第一位 長崎県 ] -0.30 0.09
独居老人率(60代以上ひとり暮らし率) [ 2005年第一位 鹿児島県 ] -0.32 0.10
毎日新聞販売部数 [ 2010年第一位 奈良県 ] -0.32 0.10
朝日新聞販売部数 [ 2010年第一位 山口県 ] -0.32 0.10
タイ消費量 [ 2008年第一位 佐賀県 ] -0.33 0.11
サバ消費量 [ 2008年第一位 島根県 ] -0.34 0.11
電気使用量 [ 2008年第一位 福井県 ] -0.34 0.11
日経新聞販売部数 [ 2010年第一位 東京都 ] -0.34 0.11
緑茶消費量 [ 2009年第一位 静岡県 ] -0.34 0.12
ケチャップ消費量 [ 2008年第一位 熊本県 ] -0.35 0.12
現役医師数 [ 2006年第一位 京都府 ] -0.36 0.13
東大合格者数 [ 2009年第一位 東京都 ] -0.38 0.15
平均寿命:男性 [ 2005年第一位 長野県 ] -0.40 0.16
イワシ消費量 [ 2008年第一位 鳥取県 ] -0.41 0.17
結核感染者数 [ 2009年第一位 東京都 ] -0.43 0.18
牛肉消費量 [ 2008年第一位 和歌山県 ] -0.45 0.21
パン消費量 [ 2008年第一位 京都府 ] -0.46 0.21
エアコン普及率 [ 2009年第一位 京都府 ] -0.49 0.24
年間真夏日数 [ 2010年第一位 沖縄県 ] -0.50 0.25
年間平均気温 [ 2010年第一位 沖縄県 ] -0.55 0.31

テーマ : 科学・医療・心理 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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2012.02/13(Mon)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(6)

Smoking, Health & Personality (H. J. Eysenck)の初版は1965年で、Eysenckの死後、2000年に再出版されていたようです。その序言をチュービンゲン大学医学心理学準教授Stuart Brodyが書いており、Google Bookで読むことが出来ます。ちょっと訳出してみました。生硬な訳文で、誤訳もあるかもしれませんが、このような考え方も世の中にはあるのだということを紹介する意味で、ここに掲載します。なお、訳出文(グリーン色)のなかで赤字にした部分は私による強調です。

本書でアイゼンクは、文献を批判的にレビューするだけではなく、心理学的要因が喫煙よりもずっと強力な心臓病や癌の予言因子であることを示した縦断研究を紹介し、心理学的介入が死亡率を半減させられることを実証している(これとは対照的に、大量なキャンペーンはひとびとに喫煙やコレステロールを控えるように熱心に勧めているが、健康促進について実証的な証拠を示すことが出来ていない)。彼はまた、数百万の死を喫煙に帰属させる因習について偶像破壊的に攻撃している。

この序文を執筆している時点で、アメリカ弁護団はタバコ会社のextortionに関し、10億ドルの損害賠償を収奪している。そこでは、被告人は貧困者の健康損失過剰分に責任を負うとされている。 弁護団の民主党への寄付のほか、国立がん研究所とアメリカ癌協会のような名目上の慈善団体の間には特筆すべき財政的な癒着がある。そこでは税金によって作られた政治的な同盟がある(Cancerscamに詳述されている)。研究者の研究資金と名声もまたこの党路線に従うかどうかに大いにかかっている。こうした影響力に比べると、たばこ会社はほとんど賄賂性とは無縁である。

しかし、カネは人々が戦争を遂行する唯一の理由ではない。ちょうど、宗教、クラン、ナショナリズムが強欲よりももっと死者を生んだかもしれないように、イデオロギー防衛は科学を攻撃する基礎になっている。巨大企業を消滅させることはあるものにとっては魅力的なのだ。それはちょうど、究極の悲劇を(なんらかの外的な障害には当てはまらないにしても)永久に遅延できるという考えが魅力的であるように、だ。

私の著作において別の文脈で記述したように、リスク因子疫学は政治目的のために操作されてきた喫煙者は非喫煙者といくつかの重要な点で異なる傾向にある(準最適自己規制に通じるパーソナリティ性向、低教育、低収入、低栄養、娯楽的なドラッグ使用の傾向、等)。こうした違いを完全に調整出来なければ、責任のすべてが惜しみなく喫煙に与えられることになる。

驚くべきことではないが、「喫煙、健康およびパーソナリティ」は、最初に出版されて以降、猛烈に攻撃され、アイゼンクは(ほかにもいろいろあるが何よりも)『不可能な』結果を得たというかどで責められた。彼の研究はこのトピックについての後続のたくさんの議論から都合よく除外された(書誌的に同型なことは、アイゼンクはいくつかの大学で情報研究について話すことを禁じられたのである)。しかし、最近では、他の縦断(経時的)研究もパーソナリティが最良の寿命予言因子であることを明らかにしてきた。フリードマンとその同僚は、テルマンによって開始された数十年にわたる縦断研究のデータを用いて、喫煙や飲酒の効果を加味してさえ、誠実性というパーソナリティ形質が(被験者の性別を除くと)生存の最良の予言因子であることを明らかにした。セルツァーは、フラミンガム研究においては、パーソナリティー特性を交絡因子に含めると喫煙と冠状動脈性心臓病との関係が消失することを示し、政治的な圧力がこうした情報を隠蔽することについて論評した。このような研究は、本書でアイゼンクによって用いられ、より小さな効果サイズを導くことになったパーソナリティ変数よりももっと広範な変数を使用したものである;同じような変数は、欝がその後の疾病、死亡の予言因子であるとした他の研究でも使用された。

1996年夏、アイゼンクに会ったとき少しは病弱に見えたけれども、活動的で変わらぬ使命感をもっていた。彼は、本書での研究が繰り返されることを願っていることを示した。不運なことに、このことは彼の生存中には不可能であった。本書は、彼の残した非常に大きな学術遺産の重要な一部である。それは、提示されているデータについてはもちろんのこと、科学的好奇心やリバタリアニズムの感性に対しても大いに賞賛すべきものである。

テーマ : 研究者の生活 - ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : イデオロギー 利権 パーソナリティ

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2012.02/08(Wed)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(5)

1960年前後から開始された、牛深村(半農半漁)と田主丸(農村)(いずれも九州)の総計約千名(開始当初40~59歳)を対象にしたコホート追跡研究、最初の10年間のまとめが下の図です(再掲)。
7 counties Japan

その出典は1980年の著書Seven countries: a multivariate analysis of death and coronary heart diseaseで、その後、1993年の論文The French Paradox: Dietary Factors and Cigarette Smoking‐Related Health Risksにもこのデータに依拠して
In Japan (not shown), the risk did not increase at all.

と堂々と記載されていました。私自身は後者の論文で初めてこの衝撃的な事実を知りました。フレンチパラドックスも印象的でしたが、ジャパニーズパラドックス(日本パラドックス)の方がずっと凄いことです。

しかし、なぜか、日本国内ではこの研究成果は一般の話題に上がりませんでした。禁煙キャンペーンのせいでしょうか?
いずれにせよ、この二村の調査を行ってきたのは日本人研究者のグループです。

その後、1995年には25年間の調査結果をまとめた日本グループによる論文
The Seven Countries Study in Japan:Twenty-five-year Experience in Cardiovascular and All-causes Deathsが公刊されています。前回にも触れたように喫煙リスクが現れたようです。その統計の読み方が私にはわからないのですが、全死因による死亡リスクで一番重要なのは加齢(年齢)で、その次が喫煙で、加齢リスクの約10分の一ほどの寄与率を算出していました。

次の図は、別の著者による論文Cigarette smoking and mortality risk: twenty-five-year follow-up of the Seven Countries Studyの図から拝借したものです。全死亡因(all-causes)による25年間の死亡率について、一日10本以上の喫煙者と非喫煙者の差をプロットしたものです(黄色のマーカーは私が付けました)。
1999 7 countries all-causes

一番左の値(Pooled)は7か国すべてのデータをまとめたものです。田主丸では信頼区間は横軸スレスレ(非喫煙者と差がなく)ですし、牛深では信頼区間が横軸を超えてしまっています。ちょっと信頼区間が大きすぎますね。平均値でいくら差があろうと、これでは喫煙者の方が死亡率が高いとは言えないのではないでしょうか?因みに、このデータを用いて喫煙による大雑把な損失寿命(損失余命)を試算してみると田主丸で4.5年(95%信頼区間0.0~8.9年)、牛深で2.4年(95%信頼区間 -2.1~6.9年)となります。

その後、7か国の他の国で40年追跡(2000年前後に終了しているはず)をまとめた論文がちらほらあるようですが、日本の分については探すことが出来ませんでした(2000年段階で、80~109歳になっているはずなので、ほとんどの方が死亡してしまって、つまり死亡率の差がなくなって喫煙リスクが出せないかも;とはいえ、喫煙者と非喫煙者の死亡率の年次推移の生データを公表してほしいです)。

次の図は、もっと大規模なコホート(1980年開始、30歳以上、約1万人)についての20年追跡研究Life expectancy among Japanese of different smoking status in Japan: NIPPON DATA80.(いわゆるNIPPON DATA80)のうち男約5千人についての平均余命に関するデータを私が作図したものです。
2007 NIPPON DATA80

この論文では、喫煙による損失余命(喫煙者と非喫煙者の平均余命の差)(損失寿命)は2,3年と結論しています。図で各点に付した縦棒は95%信頼区間を表します。加齢するにつれ、徐々に差が縮まっていくようにみえますね。

運よく75歳まで生きられれば、喫煙によるリスクはほとんど消えています。

75歳を過ぎるとヘビースモーカー(右図)の方が非喫煙者より長生きしそうですし。
左の図は、全喫煙者です。

そこまで僕生きられるかなぁ?

テーマ : 禁煙・タバコ - ジャンル : ヘルス・ダイエット

tag : 7か国研究 田主丸 牛深 全死因 損失寿命 平均余命 NIPPON-DATA80

17:04  |  喫煙  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02/04(Sat)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(4)

前回(禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(2))、喫煙に伴う社会的損失について大雑把に推論してみた。国民医療費の経年的上昇は国民の高齢化現象によるものであって、喫煙者にまつわる医療費はそこに含まれてしまうだろう、という趣旨であった。

禁煙キャンペーンは国家的事業で行われており、少なくとも表面的には厚労省がその推進本部として働いている。

その禁煙キャンペーンには、どれほどの費用がかかるのかな?
キャンペーンに関わる人件費も計算して欲しいところだ。

で、とりいそぎ、喫煙影響に関わる疫学研究にどれほどの研究資金が投入されているか、Googleしたのだが、、、
今のところ、うまく見つからない。その代わりに、面白い研究を見つけた。

医療経済研究機構(略称IHEP)という財団法人があるそうな。いわゆる天下り法人らしく、その理事長は幸田正孝(元厚労省事務次官)。その2009年度報告書に、「禁煙政策のありかたに関する研究 〜喫煙によるコスト推計〜 報告書」というのがあって、とても啓蒙された。その報告書による喫煙コストの定義は↓
喫煙者が一消費者として負担しきれずに喫煙者が属している共同体に負担させているコスト
喫煙者は「共同体」における完全なお荷物あつかいだね。

なんという冷徹な選民思想の持ち主たちなのだ。

しかもだ、彼らは、喫煙者の罹患・死亡を『労働力の損失』と捉えておる。
素直な僕の頭ではなかなか理解しにくい視点なのだが、つまるところ、彼らは国民を国家に奉仕する「労働力」(まぁ、奴隷のようなものだね)としてしか、その存在を認めていないということらしい。恐ろしい発想だ。

ただし、実際問題として、喫煙者のうち退職するまでに死んでしまう人の割合はとても少ないんじゃないかな?
年齢別死亡数2005

私の勤める大学でも、この20数年、在職中の教員が死んだ例は一つもない(だから、喫煙者も一人も死んでない)。
また、禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(1)で紹介した日本人における喫煙影響の疫学研究では喫煙による死亡率の差は全く出ていない(↓)。
7 counties Japan
前回述べ忘れたが、↑(クリックすると拡大)は、1960年前後に40~59歳だった九州男児をその後10年間追跡調査した結果だ。

25年追跡の結果では、喫煙リスクが少し現れたようだけれども(これについては別の機会に)。
いずれにせよ、国民が労働力として奉仕させられている間は、喫煙の有無は奉仕性能に影響しない、ということが分かるデータだ。

さて、彼らは、「予防・研究・教育費用」もコストに算入させたかったようだ。
???
逆じゃないのか?
喫煙者がいるからこそ、あなたたちの食い扶持があるのではないかな?
いずれにしても彼らにとって喫煙者は社会のお荷物(・・・でも労働奉仕する奴隷でもあるのだけれどね)。
国内における嫌煙世論を誘導したのはあなたたちでしょう?

ところが、、、これについては『データ不足のため算出対象外』だと。もっとまじめにやってくれないかな?
どれだけ研究資金を使ったのか、そこが知りたかったんだよね!

おかしな事を言うなというブログでも「労働力」問題を考察していた。
ニコチン入り電子タバコで禁煙するブログ:電子タバコにニコチン入りのがあるとは知らなかった:いいかもね。

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2012.02/02(Thu)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(3)

世川行介という作家がいる。僕と同い年だ。
最近では『泣かない小沢一郎(あいつ)が憎らしい』(アマゾン)とか『角栄と一郎』(ブログ世川行介放浪日記)を世に問い、国家の闇に葬り去られつつある小沢一郎という男を何とか救い出そうと、力を尽くしてきた。

彼のすごいところは「野垂れ死にをも許される自由」を生きようーー生きてきた、というべきか?--としてきたことだ。
私のような気弱な人間には到底まねのできない生きざまだ。

その彼が、2月1日、突然、ブログのテンプレートを乙女チックというか綺麗なバラで飾られたものに変えた。

はは~ん、、、とうとう世川君も、彼女とのラブラブ生活を永遠の誓いのいきに高めたのかな(まぁ、年貢の納め時かな、、、)などとニタニタしながら読み進めると、、、まぁそうにも違いないのだろうけれど、、、彼の体に異変!僕は、びくびくしながら読む羽目になってしまった。

ヘビースモーカーであることは知っていたが、一日に80本とは!
作家だから仕方ない面もあるけれど、ちょっと僕の想像を絶する喫煙本数だ。

とくに降圧剤を常用するほどの高血圧だったようで、きっと動脈硬化指数も高かったんだろう。

僕のこのブログシリーズで念頭に(暗黙の前提として)おいていたのは喫煙と肺がんリスクの因果関係であって、心臓血管系の疾患はしばらく脇に置いておくつもりでいた。

ニコチンが血管を収縮させるのは感覚的に実感できる。
なので、すくなくとも心臓血管系が弱っている場合に喫煙を続けていくと、ぽっくり逝ってしまうだろうな、、、ということは十分に予想される。喫煙リスクによる心疾患関連の死亡があるとしたら、その多くは心疾患に罹っている人たちがそのまま喫煙した場合なんじゃないだろうか、と僕は推論してきた。

ただ、心疾患のもともとの発病にたばこが関係しているかどうかには疑問の余地が残されていると思う。
いずれにしろ、僕自身も必要なケースでは、最近一時的に(最長約2か月)断煙(禁煙)した経験がある。

さて、世川君の話に戻る。
「野垂れ死にをも許される自由」を生きる世川君でも、瀕死の状態で実感してしまった彼女の愛情に包まれて、へなへなになってしまったんだろうか。野垂れ死にはもうできないかもしれない。でも、その代償も世川君の一つの幸せには違いない。血管系の養生を果たすまで、断煙(禁煙)してがんばれ!

節煙でもいいと思うけれど、僕は医者じゃないから、何とも言いません

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2012.02/01(Wed)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(2)

スモーカーは国民医療費をひきあげる国賊だ、という禁煙キャンペーンが癪に障るので、ちょっと調べてみた。
Googleで最初に引っかかってきた政府統計は平成11年度版だった。
とりあえず、この統計を使ってプロットしたのが↓の図だ。
国民医療費 年次推移

1977年度の国民医療費総額を基準値100(総額約8兆円、そのうち公費は三分の一負担;この負担比率はほぼ同じ)としてプロットした。『45歳以上』と『65歳以上』の差分は45~64歳の人々に充てられた医療費である。なお、タバコ税(ウィキ)による1999年度の国家収入は約一兆円)。

国民医療費の増加率の大半が『45歳以上』のもので説明でき、更にそのほとんどが『65歳以上』の部分で説明できる。
つまり、国民医療費の増加は人口動態の高齢化によって説明できるということだ。

したがって、仮に喫煙が寿命を大きく縮める効果をもつなら、国民医療費の増加を嘆くひとたちにとってはスモーカーこそ礼賛すべき衆愚なのだ、ということにはならないか、な?

ま、どちらでもいいのだけれど。

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2012.02/01(Wed)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(1)

私は「阿修羅」という掲示板を愛読している。
政府・マスコミの流す情報については常に慎重な姿勢をとる方々の論調が主流である。

その阿修羅で、禁煙キャンペーンというかなんというか、喫煙者を罵倒し、国賊扱いするような発言が目立っていて不愉快であった。このスレッド自体は朝日新聞の報道「たばこで死亡、年12万9千人 07年分、東大など分析」(2012年1月28日1時50分)を発端にしている。この報道に早速飛びついた一人に池田信夫という人がいて、そのブログでは低線量被曝無害キャンペーンを張っていた。

阿修羅のこのスレッドで、私が共感できる投稿は一割未満(つまり、極めて少数派)に過ぎなかった。その中で、この喫煙問題で日頃私が感じてきた心情をとてもよく表現してくれるもの、投稿ナンバー84、があった↓。

タバコを吸わない人達が 増えてから 世の中 やさしさとか人情とかも
薄くなっつたきがします 寅さんや池中玄太80キロの時代が懐かしい タバコ
は文化です芸術や音楽にも縁が深いです、、、 タバコが高級品化してゆくのは致し方無いと 想いますが 原風景の一つが消えて逝くのは寂しいな、、、

この心情に付け加えることは何もない。でも蛇足する。

一つは排他主義(なわばり根性)の蔓延だ。喫煙者が嫌煙グループの推奨する喫煙マナーを守っている限り、たばこを吸う行為は純粋に個人の趣味に帰属する(低線量被曝を喫煙と比較する欺瞞)。排他主義は政治的には排外的民族主義や民族差別主義とも親和性が高いだろう。

地球上の99%以上のひとびとは権力者に苛められる同じ民衆だ。仲良くしようよ。

排他主義、排外的民族主義に民衆が染まってくれればくれるほど権力者にとっては都合がよい。禁煙キャンペーンに隠された政治的側面の一つかも、と私は訝っている。何故、排他主義が(排ガス大気汚染と歩調を合わせるかのように)蔓延るようになってしまったのか、別の機会に考えたい。

もう一つ、これはどうしても我慢ならないことだが、喫煙者、スモーカーが我が国の医療費の高騰に寄与する、というキャンペーンだ。これはスモーカーを国賊扱いにしている。

喫煙が肺がんリスクを上げるとして、どうして国家の医療負担を上げることにつながるのだ。スモーカーは高額のたばこ税を払っている。そして、言われる通り、損失寿命(損失余命、損失期待余命)が数年として、その分の年金を受け取らないよう協力、貢献しているではないか。肺がんにかかる率があがれば、医療、薬品メーカーたちも儲からない?こうしたことの算数を厚労省はしっかり計算しているのか?

で、厚労省とその取り巻きの人たちは、スモーカーに対して何を望んでいるんだい?
民衆の健康を大切に思って、親切にも禁煙を勧めてくれているのか?国賊呼ばわりして医療費を下げたいのか?でも、この二つは矛盾した行為だよね。

さて、では本当に喫煙が日本人(アメリカ人でなく)の死亡率を上げているのか?
下の図は1980年に出版されたモノグラフ
Seven countries: a multivariate analysis of death and coronary heart diseaseから拝借したものだ。 7 counties Japan

(喫煙リスクに関する)いわゆる日本人パラドックスを示す古典的な(伝統的で基本的な)データだと思う。
その後、1995年に同じコホート集団(九州の二村)を用いて異なる結果を導いた論文が発表されたが、また別の機会に譲る。

喫煙に関する疫学研究には重大な欠陥がある。喫煙因子と未知の交絡因子(Xとする)が強い関係にあるとしよう。このとき、発癌死のリスクが本当はXに起因するものであるとしても、疫学上は、リスクは喫煙にあるという結論が導かれるだろう。さて、Xは未知である。未知のXの存在を完全に否定することができようか?

放射能の場合、少なくとも高線量被曝、被爆で、因果関係が明らかになっている
低線量被曝における疫学については別の機会に譲る

著名な英国の心理学者(評価は二分されているが)アイゼンク(H.J.Eysenck)に、
「たばこ・ストレス・性格のどれが健康を害するか」(星和書店、1993(原書1991))という魅惑的な著書がある。
印象に残った一つのメッセージは↓

ストレスを受けやすい性格の人は癌にかかりやすい
よって、禁煙キャンペーンはそうした性格のスモーカーの発がん率を高める

病は気から、とよく言うが、癌にもぴったりの言葉かもしれないね
告白しちゃおう。
私はスモーカー
しかも、どうも癌にかかりやすいパーソナリティをもっている(攻撃性が低く、自分を責めやすい)。


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14:59  |  喫煙  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
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