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2012.01/19(Thu)

低線量被曝と損失寿命

大阪工業大学の渡辺信久教授による講演記録、
(環境リスクに関する講演第4回 サステイナブルセミナー 岡山大学環境管理センター主催 2011 Oct 24)(PDFファイル)には、次のような記述があります。

「10-5をリスク受容の目安」もしくは、ALAP(As low as possible) を唱えていれば、学者としての我が身を守ることができます(最近型御用学者)。

これは皮肉なのかジョークなのか定かではありませんが、過剰発ガン死リスク10-5がこの業界内での一応の基準であることのようです。10(10万人)の死者のうちある特定のリスク因子によって発ガン死亡したものが一人未満になるよう、そのリスク因子の濃度を低くすべきである、という基準のようです。

ICRP勧告(2007)によると、1シーベルトの累積線量で過剰発ガン死リスクは5.7x10-2に達します。1ミリシーベルトだと5.7x10-5になりますね。環境リスク学(?)業界の標準的基準10-5からすると生涯累積被曝線量1ミリシーベルトは、ちょっと危険な領域だ。一般公衆に浴びせても仕方ないとされてきた年間1ミリシーベルトの線量(線量率として 1 mSv/year = 114 nSv/hourの一年被曝)でも、この業界基準からするととんでもない値だ、ということになります。

さて、彼はリスク因子による損失寿命を簡便に計算する近似的方法を考案したようです。

損失寿命(損失期待余命、損失余命):リスクなしに期待される平均余命と比べ、そのリスクによって余命がどれだけ短縮するかの平均値

それによると、過剰発ガン死リスク10-5当り約210分ということです。

これを使って大雑把に見積もってみると、、、
年間1ミリシーベルトの線量を被曝すると、その5.7倍、つまり20時間の損失が発生します。
年間12ミリシーベルトを浴びると、約10日の損失です。この被曝を36年続けると(累積被曝線量は432 mSv)損失余命はだいたい一年となります。
累積被曝線量 1 Sv (過剰発ガン死リスク5.7x10-2)による損失寿命は2.3年。


年齢差や性差、その他の事情も無視した概算ですが、外部被曝をどれくらい怖がらなくてはいけないのか、おおよその目安にはなるのではないでしょうか。

なお、福井県立大学の岡敏弘教授の試算の一つ「放射性物質汚染食品規制のリスク便益分析」(2011.11.20)日本リスク研究学会(PDFファイル)によると、累積線量10ミリシーベルトによって誘発される損失寿命の男女平均(以下、括弧内に女性の場合を示す)は以下の通りです。

0歳児は17日(20日)
0~9 歳児は14日(17日)
10~19 歳で10日(11日)
20~34 歳で6日(7日)
35~49 歳で3日(3日)
50 歳以上なら1日(1日)
全体平均で約4日(5日)

岡教授の上記論文などをざっと見て、なるほどこのようにして政策というものは立案するものなのか、と世間知らずの小生なんぞは軽いカルチャーショックを受けました。これについてはまた別の機会に譲ります。
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テーマ : 放射能汚染 - ジャンル : 政治・経済

tag : 過剰発ガン死リスク 損失寿命 環境リスク

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