07-<< 2017-08- >>09-

12345678910111213141516171819202122232425262728293031
--.--/--(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑
2012.03/19(Mon)

血液型とパーソナリティ(3)

血液型とパーソナリティの関係について、一つの仮説が最近(2011)、Medical Hypothesisという学術雑誌に掲載された:Personality traits of aggression-submissiveness and perfectionism associate with ABO blood groups through catecholamine activities(PubMed).多分、実質的には内容は同じだろうが別の学術誌Hypotheses in the Life Sciencesの創刊号にも掲載されている:ABO group B is associated with personality traits through linkage disequilibrium with low activity dopamine beta hydroxylase.

著者は産婦人科医で、後者の論文の謝辞には自身がB型であることを「告白」するというお茶目ぶりである。

ここでは、後者論文についてその要約部分を和訳しておく(前者については未読)。例によって、生硬な訳文だし、誤訳もあるかもしれないが、よろしく。
ABO式血液型はパーソナリティ形質との関連について研究されてきた。しかし、肯定的な所見についての科学的コンセンサスは得られていない。ABO式血液型の集団頻度分布について以前から知られているバリエーションや、ヒトゲノムプロジェクトで新たに発見されたABO遺伝子の一塩基多型のおかげで、パーソナリティ形質や健康リスクのABO式血液型との関連性についての描像は特異性を増しながら鮮明さを増し続けている。カテコラミン酵素の一つドーパミンβヒドロキシラーゼ(DBH)はABO遺伝子座と密接な連鎖不平衡の関係にある。病気だけでなくパーソナリティもカテコラミン遺伝子と関連(連鎖)しているので、DBH / ABO連鎖は、病気のほかパーソナリティ形質におけるABO式血液型の階層化に寄与している可能性がある。

ハップマップ母集団の頻度分布は、ABO式血液型Bとrs1611115(DBH活性のバリエーションに寄与する主要な対立遺伝子マーカーの低活性とで類似している。 また、この事はABO遺伝子座内部の連鎖不平衡と整合的である。さらに、二人(クレイグ·ベンターとジェームズ·ワトソン)に関する公的に利用可能なゲノムの総覧(レビュー)と伝記的な情報もこの関連性を支持している。ベンターとワトソンの両方ともB型以外の血液型と高活性のDBHを持つようであるし、パーソナリティ形質Persistence (粘り強さ)に整合的なドーパミン遺伝子型をもつように見える。こうした形質は公的に利用可能な伝記情報に証拠があるように見える。この仮説は、大規模な集団を用いてABOやDBHの遺伝子型とパーソナリティ形質を比較することによって検証することができる。

粘り強さ(Cloninger形質の一)はドーパミン作動性の神経伝達に関連付けられてきており、ドーパミン / ノルエピネフリン比を決定するDBH機能を経由してABO / DBH連鎖群と関係ありそうである。低 DBHは形質「衝動性」Impulsivenessに関係していることが知られており、このため「衝動性」はより高いドーパミン/ノルエピネフリン比に関係するようにみえるだろう。また、形質「衝動性」や動機の発現におけるドーパミン作動性の神経伝達の役割を実証した研究に基づくと、もっともらしい筋書きは次の通りである:ドーパミン作動性神経伝達が不活発だと「粘り強さ」行動を生み、より活発だと「衝動性」行動を生む。

大規模な集団遺伝学研究がこの仮説を立証するならば、事実上すべての集団でABO式血液型のデータが広範に利用できることを踏まえると、個人レベルでも、また社会や文化の領域でも人間行動の生化学的基盤に新しい光が投げかけられることになるだろう。

以上、要約についての和訳でした(3/5/2012)。

***********追記(3/19/2012)

なお、NATOMさんにコメント
でご指摘いただいたように、ABO遺伝子とDBH遺伝子が連鎖不平衡にある、という証拠はないようです。
著者のHobgoodが依拠した論文には「強い連鎖」を示す証拠がありましたが、Hobgoodはこれを「連鎖不平衡」の証拠である、と「誤認」してしまったようなのです。

NATROMさんのご指摘には大変感謝しております:誠に有難うございました。
関連記事

テーマ : 科学・医療・心理 - ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 血液型 パーソナリティ

18:44  |  ABO血液型  |  TB(0)  |  CM(7)  |  EDIT  |  Top↑

●DBHとABO遺伝子座との連鎖不平衡

こんにちは。NATROMです。言及ありがとうございました。「カテコラミン酵素の一つドーパミンβヒドロキシラーゼ(DBH)はABO遺伝子座と密接な連鎖不平衡の関係にある」とありましたので、たいそう驚愕いたしました。まさしく、例外中の例外が起こったのかと思ったのです。しかしながら、ご紹介の論文にはどこにも連鎖不平衡の程度についての評価がなされていません。それどころか、DBHとABO遺伝子座と密接な連鎖不平衡がある根拠が示されていません。ご紹介の論文には

ABO gene is known to be in tight linkage disequilibrium with DBH gene [28].

とありましたが、提示されている文献は、

[28] Wilson AF, ElstonRC, Siervogel RM ,Tran LD: Linkage of a gene regulating dopamine- beta-hydroxylase activity and the ABO blood group. Am J Hum Genet 1988, 42(1):160-6.

です。1988年の論文ですね。私の論考が執筆された2004年よりもずいぶん前の話です。おそらくはHobgood DKもレビュアー(レビュアーが存在したとして)も、連鎖"linkage"と連鎖不平衡"linkage disequilibrium"の違いを理解していなかったとすれば説明がつきます。euglena00さんはどうお考えになりますか?

「何らかの生物学的メカニズムを予感させる何かが潜んでいるようで、わくわく、します」という部分にも一言。ニセ科学批判者にはかつて研究の経験があったり、まさに現在研究者である人たちがおり、科学に関する未知への興奮を共有していると思います。ニセ科学に対してはわくわくしません。あまりにも薄っぺらいからです。連鎖と連鎖不平衡の違いを理解していれば、Hobgood DKの論文にわくわくすることはないでしょう。
NATROM | 2012.03.09(金) 09:00 | URL | コメント:編集

●連鎖と連鎖不平衡との関連を教えて

NATROMさん、はじめまして、こんにちは。
コメント、有難うございます。

ちょっと確認ですが、
「ニセ科学に対してはわくわくしません」って、この文脈では唐突すぎませんか?それとも、NATROMさんはHobgoodの論文についてニセ科学だ、と断定していらっしゃるのでしょうか?

http://euglena00.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
で私が「わくわく」と表現したのは、NATROMさんが研究室で例外的データを手中にしていたらしいことに関連させてのものでしたね。この文脈ではHobgoodは全然関係していないはずです。

さて、本題の連鎖と連鎖不平衡ですが、私はこの点に関しては全くの素人なのでNATROMさんのご教示をお願いしたいところです。

ABO遺伝子とDBH遺伝子に強い連鎖がある(theta=0; LOD=4.5)
(Perry et al. (1991) Linkage analysis of the human dopamine beta-hydroxylase gene)ということは、次世代に一緒に伝わる可能性が高い、ということですよね?

そうすると、実証したことにはなりませんが、二つが連鎖不平衡の関係にあっても不思議ではない、ということにはなりませんか?

http://euglena00.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
に引用させて頂いたNATROMさんの文章にも、遺伝子の物理的距離が近いほど連鎖不平衡になりやすい、みたいなことが書かれていたと思います。

連鎖は遺伝的距離ですから、物理的距離よりは連鎖不平衡との関連性をつかみやすいのではないでしょうか?
一生物学徒の社会勉強 | 2012.03.09(金) 12:13 | URL | コメント:編集

●連鎖と連鎖不平衡

>で私が「わくわく」と表現したのは、NATROMさんが研究室で例外的データを手中にしていたらしいことに関連させてのものでしたね。この文脈ではHobgoodは全然関係していないはずです。

の部分については、私の誤読のようでした。申し訳ありません。ちなみに「例外的データ」については、「生物学常識を覆す(かもしれない)、何らかの生物学的メカニズムを予感させる何か」ではなく、多くのデータがあれば必然的に生じる偏りで説明可能なものです。


>ABO遺伝子とDBH遺伝子に強い連鎖がある(theta=0; LOD=4.5)
>(Perry et al. (1991) Linkage analysis of the human dopamine beta-hydroxylase gene)ということは、次世代に一緒に伝わる可能性が高い、ということですよね?

その通りです。


>そうすると、実証したことにはなりませんが、二つが連鎖不平衡の関係にあっても不思議ではない、ということにはなりませんか?

なりません。連鎖していても連鎖不平衡にない関係の遺伝子座の組み合わせなどごまんとあります。ABO遺伝子座とDBH遺伝子座が連鎖不平衡の関係にあるのを示すには、連鎖の情報だけではまったく不十分です。提示しなければならない情報を提示していないがゆえに、Hobgoodの論文にはほとんど価値はないと私は判断します。そもそも、パーソナリティ形質とABO式血液型が関連しているというのであれば、DBH遺伝子がどうとか言わずに、直接にその関係性を示せばいいだけです。
NATROM | 2012.03.09(金) 17:56 | URL | コメント:編集

NATROMさん、コメントありがとうございます。

『多くのデータがあれば必然的に生じる偏りで』あるならば、日本語では普通、「例外的」とは言わない、というのが私の理解でした。

強く連鎖しているほど、連鎖不平衡の度合いも高まる、ということはないのでしょうか?

ABOFANさんへの批判的論考において、遺伝子の物理的距離と連鎖不平衡の関係についてNATROMさんは説明しておられたと思うのですが、、、。

Hobgoodの二つの論文はあくまでも仮説です。
ですので、それをどう評価するかは、全くの個人の自由です。

ただ、『提示しなければならない情報を提示していないがゆえに』とまでいえるかどうか。仮説提唱のうえで、クリアしなければならないのは、「状況」証拠がある程度あるかどうか、ということだと思うのですが。ある程度、ね。

実証した、と言っているわけではないのですしね。

仮説に対しては、おおらかな態度を示してもいいのではないかな、というのが私の個人的立場です。よってたかって、自由な発想を押さえつけるのもどうか、と。v-10仮説なんですよ。仮説。

日本では結構、仮説提唱に対して寛容ではない傾向を見聞しますが、実際、どうなんでしょうね?分野によってもだいぶ違うと思いますけど。医学だと、縦の関係、まだまだ健在でしょうしね。

もう、20年以上も前になりますが、大島泰郎だったかな、雑誌「生化学」の巻頭言か何かで、熱水噴出孔を生命の起源の場とするような仮説が欧米から出された事例をもって、あんなデータしかないのに(しかも一流誌に)仮説を出されてしまった、、、俺も出しておけばよかった、と嘆いていたのを思い出しました。

なお、仮説立証段階における道程で、『直接にその関係性を示せばいいだけ』というのは、ちょっと暴論に感じました。立証プロセスにはさまざまな道筋があってよいだろうし、その「直接的関係」だけでは、仮にそれが示せたとしても、どうしてABOのようなものがパーソナリティに関係するんだ、という疑問には全く答えられません。

科学は個人個人がそれぞれ好きに追求すればよい。
いろいろ自由な発想があってこそ楽しい、というだけのことです。
まぁ、巨大プロジェクト科学なら、それは望むべくもありませんが。

前にもこのブログのどこかで書きましたが、ある仮説が、最終的に立証されるか否定されるか、それは、もう、やってみないとわからない、というのが科学じゃないでしょうか。

NATROMさんの今回のコメントを読んでみると、Hobgood仮説はやってみるまでもなくダメだ、とおっしゃっているようにも感じられますが、、、こうしたことは、実証的データが出ていない段階ではそもそも科学的議論の対象にはなりません。まだ仮説なんですから。



一生物学徒の社会勉強 | 2012.03.09(金) 21:39 | URL | コメント:編集

●血液型と性格 関連性の強弱

NATROMさん、こんばんは
ちょっと時間があったので菊池誠「練習問題としての血液型性格判断」
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/temp/ketsuekigata.pdf
をざっと読んでみました。ざっと、ね。

血液型と性格についての強弱についての彼の指標がなんとなく表現されていました。参照した上記pdfファイルでは図1、図2なるものが載っていなかったですが、いってみると、all-or-nothing的な予測力があるものを「強」、そこまで(まぁ、パーフェクトなのかな?)ないものを「弱」と定義しているようですね。

国内心理学者による研究について、僕はまったく知らないので、これについてコメントする立場にないのですが、少なくとも、菊池誠先生の強弱論を前提にするなら、僕も完全に菊池先生に賛成します。

ただし、性格の遺伝率が40%程度であることは、確か1994年だったかな、Scienceに総説が出ているくらいの「定説」だと僕は思ってきたわけで、、、この定説からすれば、能見説に対するたくさんの言説は不要ですし、国内心理学者が行ったとされる「強い」関係性の否定研究なども、余り意味のあるものじゃないかもね、、、という印象は受けました。もともと、彼の言う意味での「強い」関連性など、出るはずのものでなく、、、そんなことに科学者の関心があるはずはない、と思うのです。

いずれにしても、彼の批判対象が血液型性格判断そのものにのみ向けられていることはよくわかりましたし、血液型と性格とには何の関係もない、と結論付けているわけでもないこともよくわかりました。また、血液型による差別について憂えていることもよくわかりました。

ただ、僕としては、血液型による差別に焦点をおいてキャンペーンしたらいいのにな、という気持ちが残りました。血液型性格判断で日常的に問題になるのは、差別問題だけでしょう?あとは、もう遊びの領域なのだから。ここをクリアできれば、何の問題もないと思うのですが、どうでしょう?酒の席での話題の一つとしては結構、楽しいですよ(私的には、血液型による差別感情、というものを感じたことは一度もないですが)。まぁ、結構、軽い話題になるというか、ステレオタイプというのも遊び的には面白いというかね。

もちろん、ステレオタイプなんてありえないわけで、、、だからこそ、それを常識化している人々の間では、ステレオタイプ的な貼り付けが遊びになるわけです。

でも、能見式血液型人間学にはまっている人々にはそういうことが常識化していない。ここが問題かな、と思ったりします。そういう人々に対して、あれはニセ科学だ、なんだかんだ、と言っても何の効果もないことは批判者たちも重々ご承知のことだと思います。ですよね?

とすると、血液型性格判断批判の目的は何なのでしょう?
そこを教えていただけると、とても勉強になります。
ちょっと、とりとめがなくなって来ましたので、この辺で、おやすみなさい。
一生物学徒の社会勉強 | 2012.03.10(土) 00:22 | URL | コメント:編集

●仮説がどうとかではなく事実関係の誤り

>強く連鎖しているほど、連鎖不平衡の度合いも高まる、ということはないのでしょうか?

強い連鎖は連鎖不平衡の必要条件であって十分条件ではありません。


>Hobgoodの二つの論文はあくまでも仮説です。

仮説を提示するのも、それをどう評価するのも自由です。しかし、単に連鎖していることを示す論文をひいて、「連鎖不平衡にあることが知られている」と書くのは、仮説の提示以前の問題です。事実関係の誤りです。Hobgoodがもし「連鎖不平衡にある証拠はないが、私は連鎖不平衡にあると信じる」と書いたのであれば(論文としての呈はなしていませんが)まだましでした。私も仮説についてはおおらかな態度を示していいと思いますが、事実関係に嘘を書くのはダメです。

それから、科学のついていろいろな仮説を検討して楽しむには、最低限の知識は必要です。相対性理論が本当に正しいのかどうかを検討するのは楽しいことでしょうが、中学レベルの数学も知らずに「相対性理論は間違っているかも!」などと言っちゃうのはただの痛い子です。連鎖と連鎖不平衡の区別がつかずにDBH遺伝子座を介したABO血液型遺伝子座と性格の関係に論じるのって、そういうものです。


>ただし、性格の遺伝率が40%程度であることは、確か1994年だったかな、Scienceに総説が出ているくらいの「定説」だと僕は思ってきたわけで、、、この定説からすれば、能見説に対するたくさんの言説は不要ですし、国内心理学者が行ったとされる「強い」関係性の否定研究なども、余り意味のあるものじゃないかもね、、、という印象は受けました。

なぜ、性格の遺伝率が40%程度であるという定説があるからといって、能見説に対するたくさんの言説が不要になるのでしょうか?


>ただ、僕としては、血液型による差別に焦点をおいてキャンペーンしたらいいのにな、という気持ちが残りました

血液型による差別に焦点をおいたキャンペーンもなされています。


>とすると、血液型性格判断批判の目的は何なのでしょう?

差別対策だけでなく、科学を理解してもらうことも目的の一つです。ニセ科学は血液型性格診断だけではありません。血液型性格診断がニセ科学であることを理解できる人の割合が増えると、他のニセ科学に対する耐性もつきます。ニセ科学批判についてはFAQがありますので、だいたいの疑問については書いてあるはずです。

ニセ科学批判まとめ 「ニセ科学批判」批判 FAQ
http://www39.atwiki.jp/cactus2/pages/13.html
NATROM | 2012.03.10(土) 10:16 | URL | コメント:編集

●元記事に追記

Hobgood仮説における論拠の一つが彼女の誤認である旨、元記事に追記を行いました。

NAROMさん、有難うございました。
一生物学徒の社会勉強 | 2012.03.19(月) 18:53 | URL | コメント:編集

コメント:を投稿する

URL
コメント:
パスワード  編集・削除するのに必要
非公開  管理者だけにコメント:を表示  (現在非公開コメント:投稿不可)
 

▲PageTop

この記事のトラックバック URL

→http://euglena00.blog.fc2.com/tb.php/42-2d744ec1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック:

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。