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2012.03/06(Tue)

科学帝国主義

科学を錦の御旗のように振りかざす態度(科学帝国主義とでも呼ぼうか?科学教の方がいいかな?)について考えているとき、ふと中学生の時に読んだパスカルの断章を思い浮かべた。その一節が「xxokkunのダメダメ日記」さんのサイトに記載されていたので転載させていただきます(改行などは私の好みで変えました)。

人間は無限と無、偉大と悲惨との間に浮動する中間者である。広大無辺な宇宙に比べるならば、ほとんど一つの点に等しい、一本の葦のように弱い存在である。だが、それは“考える葦”である。

空間によって宇宙は私を包み、一つの点として私をのみこむ。
だが、思考によって私は宇宙を包む。ここに人間の尊厳がある。

人間は偉大であると同時に悲惨であり、自分の悲惨を知るゆえに偉大である。

とても含蓄ある内容なので、私なんぞが論評できるものではないのだが、私はパスカルのこのバランスが好きだ。

以上、おしまい。

テーマ : 科学・医療・心理 - ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : パスカル 人間の偉大と悲惨 科学帝国主義

14:21  |  ABO血液型  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.03/05(Mon)

錦の御旗としての科学

ちょっととても重たいテーマだな。

ニセ科学批判者集団は、科学者自身と科学に造詣の深い科学者以外の人々の部分集団には違いない。
その特徴の一つは、科学を錦の御旗にする態度、とか「科学的に証明されていないことは、真実ではない」と断定する態度なのかもしれない。

くどいようだが、科学的に証明されていないことは、科学的に結論が出ていないというのが正しい。
もちろん、科学的に否定されたことは科学的真理ではない、なら正しい。

伝統知、というのだろうか。長い歴史の過程(経験)で、科学(西洋科学)とは無縁の形で得られてきた「真実」はたくさんある。漢方医学などはその典型であろうし、、、さまざまな発酵食品とか、、、まぁ、いろいろある。

伝統知は、科学によって証明されていないことの方が多いだろう。このうち、科学によって否定されたものはどれだけあるだろうか?僕の肩こりなど、結構、鍼によって治療できるよ。

前回の続きの形でいうと、科学の題材は伝統知の中に無数に潜んでいる。
だが、科学は科学的に研究「できる」テーマだけを研究する、当たり前だな。
ここで言いたいことは、科学には未知のことだらけだ、という点だ。自然は余りにも広く、かつ深い。科学はそのほんの一部を明らかにしただけで、原理的に明らかにできないことも(もちろん自然現象で、だよ)無尽蔵にある筈だ。

現代に通用する科学というのは、一応、高度な科学的訓練を経ないとできない作業だ。この訓練を達成した証が理学博士、農学博士、工学博士、Ph.D.、、といった博士号だ(まぁ、ピンきりだが)。科学の現場から遠い人々にとって、科学はどのような存在だろうか。「その知見は科学で否定されているよ」と科学者から言われた時、「ははぁ~」と首を垂れ、うな垂れるしかないのではないだろうか。たとえ、納得がいかないにしても。

この意味で、科学の現場に近いものは、科学的言質には細心の注意を払うべきだろう。くどいようだが、科学的に証明されていない事柄、つまり科学的な根拠がまだ提出されていない事柄は、科学的にその真実性を否定されたわけでもなんでもない。伝統知を対比させたのはこういう文脈でのことだ。

今回、考えをまとめようと思った事柄とはだいぶ話がずれてしまった。
本当のテーマは、科学の現場からは遠い一般の人々にとって、「科学を錦の御旗のように振りかざされると、どうして弱いのか」ということを考えていた。時間切れなので、またね。

テーマ : 教育 - ジャンル : 学校・教育

18:33  |  ABO血液型  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.03/05(Mon)

血液型とパーソナリティ(2)

ABO血液型とパーソナリティ(1)で能見式血液型人間学とそれにまつわる社会的問題について論じた。

今回は、そもそもABO血液型とパーソナリティには何らかの因果関係があるのか、という点について論じたい。
結論の一つは、現段階において、この因果関係については科学的に不明である、という点だ。科学的には不明であるのだから、科学的に否定されたと言うことではない。この点で、一部のニセ科学批判者たちの主張とは対立する。

私の立場は、科学的に不明であるから大いに研究を推進してもらいたい、ということだ。

それは、血液型(特に断らない限りABO血液型)とパーソナリティには何らかの関係がありそうだ、という「感じ」が基礎にある。例えば、先に紹介したタイプB連絡協議会のサイトで表現されるB型特性、あるいはダダモのサイトで示されているB型特性が、結構私にあてはまるんじゃないか、と思っているのだ。

ただし、紋切型態度を自戒するためにもう少し説明しておこう。
よく用いられているパーソナリティ理論の一つにいわゆるBig Fiveというのがある。仔猫の遊び場さんが簡潔にまとめている。ちょっと無断で拝借します(ごめんね)。
N神経症的傾向 Neuroticism
不安、敵意、抑うつ、自意識、衝動性、傷つきやすさ
E外向性 Extraversion
温かさ、群居性、断行性、活動性、刺激希求性、よい感情
O開放性 Openness to Experience
空想、審美性、感情、行為、アイデア、価値
A調和性 Agreeableness
信頼、実直さ、利他性、応諾、慎み深さ、優しさ
C誠実性 Conscientiousness
コンピテンス、秩序、良心性、達成追求、自己鍛錬、慎重さ

各々の素因について0~1の値を割り振れたとして、個人のパーソナリティは例えば(N, E, O, A, C)=(0.3, 0.4, 0.2, 0.8, 0.6)のように5つの値の組み合わせとして表現できる。今、各々を11段階に評価しているから、この組み合わせの数は11の5乗、つまり約16万通りのバラエティがある。現実には、各々について連続量(つまり∞)であるから、当然、組み合わせも無限大∞だ。

現実の個人はこのようにそのパーソナリティ特性は連続量であって、無限通りの個性をもつ。

これに対し、5つの素因を強さの順に並べると、5×4×3×2=120 通りのタイプ分けが出来るし、、、と書いているときりがないので、話を元に戻す。

血液型と性格というテーマは何故科学的なテーマになりうるか、というのが本題で、これに関連して、個人的に関係ありそうだなという実感を上に述べたわけ。

さて、パーソナリティの遺伝率は約40%である。つまり、パーソナリティの個人差は、遺伝的要因で約4割がた決まるということだ。一卵性双生児が一緒に育った場合、別々の家庭で育てられた場合を比較しての結論だ。

ABO血液型は遺伝率100%であり、環境にかかわらず遺伝子だけで決まってしまう。しかも、一つの遺伝子だけで決まる:遺伝子型と表現型(血液型)は一対一の対応で決まる。パーソナリティは、環境によっても変容されるし、介在する遺伝子も多数で、ポリジーン。量的形質ともいう。この点で、身長や血圧などのパラメターと同質だ。

パーソナリティの遺伝率が約40%で、しかも量的形質であることを勘案すれば、ABO血液型(遺伝子)のパーソナリティに及ぼす寄与も、その程度ではある。

また、血液型抗原の種類の違いやあるなしの違いが、少しでもパーソナリティに影響するとは直観的には理解しがたいだろう。しかし、その可能性はなくはないのだ。

一つは、連鎖不平衡という現象。つまり、血液型遺伝子と強く連動して遺伝する「性格決定遺伝子」の存在する可能性を否定できない、という点。

もう一つは、多面的効果の問題。血液型遺伝子は血液型抗原の青写真になるが、この血液型抗原は赤血球膜表面の他にもいろいろな組織に分布している(これは事実)。しかし、その生物学的機能は現在のところ未知であり、性格決定に寄与するような生物学的作用をもっていることを否定できない。交感神経と副交感神経のバランスを左右するのに関係しているかもしれないし、ドーパミン作動性の神経伝達を変容する作用を持つかもしれないし、、、、というような可能性のこと。

現代科学はこうした可能性を否定することが出来ていない。したがって、血液型とパーソナリティは一切無関係である、という命題は科学的には誤りである。

次回は、最近の面白い仮説を紹介する。

テーマ : 科学・医療・心理 - ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 血液型 パーソナリティ 遺伝率

14:20  |  ABO血液型  |  TB(0)  |  CM(11)  |  EDIT  |  Top↑
2012.03/05(Mon)

血液型とパーソナリティ(1)

ABO血液型と性格、というテーマは非常にたくさんの問題を抱えており、なかなかに難しい。

ニセ科学(疑似科学、似非科学、pseudoscience)ということで、その批判に熱心な人々も多いようなのだが、少なくとも「タイプB連絡協議会」=「血液型偏見差別研究センター」のサイトを参照すると、現在巷で流布している「血液型と性格」の台本になっている能見正比古・俊賢親子による「血液型人間学」なるものは基本的に優生思想ととらえるのが自然だと思う。以下、これを能見式血液型人間学と呼ぶことにする。B型に対するいじめの構造など上記サイトに詳しい。

優生思想については、社会ダーウィニズムとヒュームの法則優生学と人為淘汰を参照してください。

能見式血液型人間学は優生思想であるから、能見正比古・俊賢親子が提示するデータが科学的に正しいか誤りか、ということは基本的に二次的な問題である。ただし、いかに彼らがいい加減に(というか意図的に)データを捏造しているか、ということも上記サイトに詳しいので、是非とも読んでいただきたい。

もう一つ注意しておかなくてはならないことは、人間をステレオタイプ的に認識する(多くの?日本人の?)思考態度(以下、紋切型態度と呼ぼう)である。テレビのバラエティ番組というのかお笑い番組というのか、私なんぞには見るに堪えない(不快感を催す)番組をみて多くの日本人が笑い転げている(から、番組が継続しているのだろう)。初等中等教育における〇×教育とあわせ、人間性の劣化を推進するこうしたメディア戦略など(まとめて愚民化戦略とでも呼んでおこう)を通じて、日本人における紋切型態度が定着・拡大していく。

これに優生思想の能見式血液型人間学が結びつけば、その結末は明らかだ。

つまり、批判すべき点は、(1)能見式血液型人間学の優生思想、(2)紋切型態度を普及・拡大させる文科省政策や各種のメディア、(3)優生思想的に振る舞う個人個人、、、ということになろう。

もちろん、娯楽として、優生思想を取り払ったうえでの能見式血液型人間学を楽しむ分には、何の問題もない。それが科学だろうとニセ科学だろうと、娯楽なのだから楽しむだけでよい。ただし、紋切型のレッテル貼りや、B型「人間」はだから困るんだよね、といった差別はいけないことはもちろんだ。

テーマ : 科学・医療・心理 - ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 優生学 血液型 性格 パーソナリティ

12:23  |  ABO血液型  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02/22(Wed)

牛乳キャンペーンの謎(2)

現在流通している牛乳の約80%は妊娠牛から搾乳されている。これは結構ショッキングな事実です。
哺乳類はもともと授乳中は妊娠しない、というのが自然界の掟になっているからです。人為淘汰によって「改良」された現在の乳牛は、人間のために(?)奉仕するべく過酷な生活を送っているのかもしれません。この「改良」は酪農業界にとっては「善」ですし、低価格で牛乳を消費したい人々にとっても喜ばしいことなのかもしれません。

しかし、妊娠牛からの乳であることで、女性ホルモンがより多量に含まれているようです。人体に悪影響はないのだろうか?思春期前のこどもには特に影響が出るかもしれない。全然問題ないという論文も出されているし、問題大いにあり、という論文もある。

いずれにせよ、重大な問題を抱えていることだけは確かだ。それを、それがないかのごとくに牛乳消費拡大を進めてきた農水省とか文科省は酪農業界とつるんでいるとしか考えられない。

さて、「都道府県別統計とランキングで見る県民性」から抜粋した都道府県別の牛乳消費量は下表のとおりだ。決定係数0.14以上のものだけを載せた。

これをみる限り、牛乳消費量の多い都道府県ほど子宮癌死亡者数が少ない、という関係がある。もちろん、両者に因果関係があるということではない。この統計でみる限り、牛乳消費量が高い都道府県ほど婦人関連の癌が多発するというようなことは読み取れない、ということだ。

一方、面白いと感じたことは、牛乳消費量の高い都道府県ほど、金銭的に裕福で、「近代化」がより進んでいる地域のようだ、という点だ。

したがって、牛乳の人体へ及ぼす効果を疫学的に研究する場合、こうしたライフスタイル(生活レベル)を交絡因子として算入させないと真実に近づけないのではないか、という気がするのだ。例えば、仮に癌発症確率が同じだとしても、生活レベルが高いほど発見確率も高いだろうし、治療レベルも高くなるだろうから、この点を考慮しなければ仮に牛乳にリスク(全死亡因)があるとしても、そのリスクを低く見積もってしまうことになるのだ。
牛乳消費量 [ 2009①埼玉 ]
項目 相関係数
(r)
決定係数
(r2)

項目 相関係数
(r)
決定係数
(r2)
パソコン普及率 [ 2009①奈良 ] 0.67 0.45 白血病死亡者数 [ 2009①鹿児島 ] -0.57 0.33
1世帯あたり貯蓄額 [ 2008①奈良 ] 0.62 0.38 父子・母子家庭率 [ 2005①沖縄 ] -0.56 0.32
電動ミシン普及率 [ 2009①奈良 ] 0.58 0.34 パチスロ台数 [ 2007①大分 ] -0.56 0.31
バター消費量 [ 2009①北海道 ] 0.58 0.33 戦後海外移住者数 [ 1994①沖縄 ] -0.54 0.30
雑誌・書籍購入費 [ 2008①埼玉 ] 0.55 0.30 自殺者数:男性 [ 2006①秋田 ] -0.54 0.29
ウォシュレット普及率 [ 2009①富山 ] 0.53 0.28 子宮ガン死亡者数 [ 2010①佐賀 ] -0.54 0.29
携帯電話普及率 [ 2009①石川 ] 0.52 0.28 小学生・スポーツ活動率 [ 2006①熊本 ] -0.52 0.27
自転車保有台数 [ 2008①埼玉 ] 0.50 0.25 男性肥満率 [ 2010①沖縄 ] -0.46 0.21
ビデオカメラ普及率 [ 2009①東京都 ] 0.49 0.24 ビール消費量 [ 2008①高知 ] -0.38 0.15
チーズ消費量 [ 2009①埼玉 ] 0.49 0.24 女子小中学生肥満率 [ 2010①青森 ] -0.39 0.15
日経新聞販売部数 [ 2010①東京都 ] 0.49 0.24 100歳以上高齢者:女性 [ 2009①沖縄 ] -0.37 0.14
通勤時間 [ 2006①千葉 ] 0.48 0.23 100歳以上高齢者:男女 [ 2009①沖縄 ] -0.38 0.14
テニス教室 [ 2010①徳島 ] 0.47 0.23
最低賃金 [ 2009①東京都 ] 0.44 0.20
海外旅行者数 [ 2008①東京都 ] 0.44 0.19
教育費 [ 2008①埼玉 ] 0.43 0.18
平均寿命:男性 [ 2005①長野 ] 0.43 0.18
朝日新聞販売部数 [ 2010①山口 ] 0.42 0.17
コーヒー消費量 [ 2009①奈良 ] 0.41 0.17
県民所得 [ 2006①東京都 ] 0.40 0.16
紅茶消費量 [ 2009①栃木 ] 0.39 0.15
ゴルフ用具普及率 [ 2009①山梨 ] 0.39 0.15
パスタ・スパゲッティ消費量 [ 2008①埼玉 ] 0.38 0.15

テーマ : 健康食品 サプリメント - ジャンル : ヘルス・ダイエット

15:32  |  牛乳と酪農  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02/17(Fri)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(8)

昨日と同じように(ジャパニーズパラドックス(7)、「都道府県別統計とランキングで見る県民性」から喫煙リスクに関する未知の交絡因子(シリーズ(1))を探ってみたいと思います。

今回はよりコンパクトな表にまとめました。主として食品に注目し、そのうち決定係数0.14以上のもののみを記載しました。
このまとめからすると、癌死亡リスクについて喫煙に関する交絡因子となりうるのは黄色のマーカーで示した三つ、睡眠時間、食塩消費量、インスタントラーメン消費量になります。

ただし、癌死亡者数は高齢者数と非常に強く相関し、決定率は80%以上です。
癌が基本的に高齢者の病気であることから、これは当然といえば当然のことですが、その他の因子に比べ圧倒的な決定率を示していることは、禁煙キャンペーンに限らずさまざまな危険因子を問題にするとき、看過されやすい点ではないでしょうか。

意外だったのは「睡眠時間」です。これは、おそらく睡眠時間そのものではなく生活スタイル全般を代表している一つの指標なのかもしれません。下の表にも明らかですが、癌死亡者数の多い都府県ほど金銭的には貧しい、というイメージが浮かび上がっています(県民所得、最低賃金などの項目をみてください)。

念のために申し添えますが、私はここで断定的なことを述べようとしているのではなく、例えば喫煙リスクについて未知の交絡因子の存在を頭から否定したような疫学研究は危険ではないか、という警鐘を鳴らす意味で、いろいろなデータを紹介しているつもりなのです。

先日、牛乳キャンペーの謎シリーズを始めましたが、「都道府県別統計とランキングで見る県民性」のデータをみると面白い事情が(つまり、私が思ってもみなかった事情)が浮かび上がってきました。次回に紹介したいと思います。
ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ]
喫煙率:男性 [ 2007年第一位 青森県 ]
項目 相関係数
(r)
決定係数
(r2)

項目 相関係数
(r)
決定係数
(r2)
高齢者数 [ 2009年第一位 島根県 ] 0.91 0.83
サケ消費量 [ 2009年第一位 青森県 ] 0.56 0.31
睡眠時間 [ 2006年第一位 山形県 ] 0.59 0.35
炭酸飲料消費量 [ 2009年第一位 青森県 ] 0.56 0.31
しょう油消費量 [ 2008年第一位 山形県 ] 0.56 0.32
サンマ消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.55 0.30
砂糖消費量 [ 2008年第一位 長野県 ] 0.51 0.26
納豆消費量 [ 2008年第一位 福島県 ] 0.53 0.28
サバ消費量 [ 2008年第一位 島根県 ] 0.50 0.25
インスタントラーメン消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.50 0.25
食塩消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.50 0.25
豚肉消費量 [ 2008年第一位 秋田県 ] 0.45 0.20
アジ消費量 [ 2008年第一位 長崎県 ] 0.47 0.22
食塩消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.45 0.20
酢消費量 [ 2008年第一位 鹿児島県 ] 0.47 0.22
カレールウ消費量 [ 2008年第一位 佐賀県 ] 0.39 0.16
老衰死亡者数:男性 [ 2006年第一位 長野県 ] 0.46 0.22
睡眠時間 [ 2006年第一位 山形県 ] 0.37 0.14
イカ消費量 [ 2008年第一位 島根県 ] 0.45 0.21
味噌消費量 [ 2008年第一位 長野県 ] 0.37 0.14
日本酒消費量 [ 2008年第一位 新潟県 ] 0.43 0.19
労働時間 [ 2006年第一位 福井県 ] 0.37 0.14
インスタントラーメン消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.39 0.15
平均寿命:男性 [ 2005年第一位 長野県 ] -0.40 0.16
現役医師数 [ 2006年第一位 京都府 ] 0.34 0.12
イワシ消費量 [ 2008年第一位 鳥取県 ] -0.41 0.17
人口密度 [ 2005年第一位 東京都 ] -0.42 0.18
牛肉消費量 [ 2008年第一位 和歌山県 ] -0.45 0.21
マグロ消費量 [ 2008年第一位 静岡県 ] -0.42 0.18
パン消費量 [ 2008年第一位 京都府 ] -0.46 0.21
チーズ消費量 [ 2009年第一位 埼玉県 ] -0.47 0.22



ミネラルウォーター消費量 [ 2009年第一位 沖縄県 ] -0.49 0.24



紅茶消費量 [ 2009年第一位 栃木県 ] -0.50 0.25



県民所得 [ 2006年第一位 東京都 ] -0.50 0.25



通勤時間 [ 2006年第一位 千葉県 ] -0.57 0.32



最低賃金 [ 2009年第一位 東京都 ] -0.60 0.37



平均寿命:男性 [ 2005年第一位 長野県 ] -0.61 0.38





テーマ : 科学・医療・心理 - ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 喫煙 発癌リスク 交絡因子

12:13  |  喫煙  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02/16(Thu)

禁煙キャンペーンの謎 日本パラドックス(7)

疫学研究の方法論上における基本的な欠陥の一つは、危険因子候補に連動する未知の交絡因子(シリーズ(1))の存在でしょう。
この日本パラドックスシリーズの(1)(6)で紹介したように、Eysenckとその同僚は半世紀も前にパーソナリティをリスク因子としてとらえ、喫煙リスクを評価するためには交絡因子としてパーソナリティを参入させなくてはいけないことを実証しました。

また、60年前後に開始された7か国研究が示すように(シリーズ(5))、日本では喫煙によるリスクが認められない(ジャパニーズパラドックス)という不思議が有名でした。これには、肉や酪農製品を摂らないといった日本的な食事が関係しているのかな、という予想が十分に立ちます。

喫煙リスクと連動する交絡因子を探るため、今回は面白いサイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」から一覧表を抜き出し、下の表にまとめてみました。

この相関関係では、二つの因子の間だけ(例えば喫煙率対肺がん死亡率)の単純な関係を求めています。全く相関関係がなければ相関係数は0、100%の正の相関で+1、負の相関で-1です。その右隣の決定係数は相関係数の二乗で、例えば喫煙率の31%はサケ消費量で説明できる、と考えます。それぞれの項目をクリックすると、上記サイトに飛び、その項目の都道府県別の分布が地図上に表記されるとともに、その項目と相関関係の高い項目も表示されます;優れもののサイトです、感謝しています。

注目される一点は、喫煙率と癌死亡数、心臓病死亡数、脳梗塞死亡数などは、少なくとも県どうしを比較する限りにおいてはほとんど関係ない、ということです。脳梗塞では若干の関係が認められますが、決定率は8%にすぎません。

意外な交絡因子として考えられるのは、医師の数です。喫煙率の高い府県ほど医師数は少ない。疫学研究で喫煙リスクが高くなる原因の一つ(交絡因子)として、医師による診療、治療が受けにくい事情が考えられる。面白いですね。盲点でしょうか?(ちょっと楽観的過ぎました。上記サイトで調べてみると癌死亡数対現役医師数の相関係数は+0.34でした。)

一方、喫煙率が高いほど、食塩や味噌、カレーの消費量が高く、また労働時間も長い。こうした因子を交絡因子として算入すれば喫煙リスクは消失する可能性が十分にありますね。

また、喫煙率が高いほど、緑茶の消費量やスポーツ活動率が低い。これも是非とも交絡因子として研究してほしいところです。

喫煙率:男性 [ 2007年第一位 青森県 ]
記事 相関係数(r) 決定係数
(r2)
サケ消費量 [ 2009年第一位 青森県 ] 0.56 0.31
炭酸飲料消費量 [ 2009年第一位 青森県 ] 0.56 0.31
サンマ消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.55 0.30
納豆消費量 [ 2008年第一位 福島県 ] 0.53 0.28
ラーメン店舗数 [ 2009年第一位 山形県 ] 0.50 0.25
年間雪日数 [ 2010年第一位 北海道 ] 0.50 0.25
インスタントラーメン消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.50 0.25
年間降雪量 [ 2011年第一位 青森県 ] 0.49 0.24
豚肉消費量 [ 2008年第一位 秋田県 ] 0.45 0.20
食塩消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.45 0.20
火災死亡者数 [ 2007年第一位 青森県 ] 0.40 0.16
カレールウ消費量 [ 2008年第一位 佐賀県 ] 0.39 0.16
睡眠時間 [ 2006年第一位 山形県 ] 0.37 0.14
味噌消費量 [ 2008年第一位 長野県 ] 0.37 0.14
労働時間 [ 2006年第一位 福井県 ] 0.37 0.14
アイスクリーム・シャーベット消費量 [ 2008年第一位 石川県 ] 0.32 0.10
すし店店舗数 [ 2006年第一位 山梨県 ] 0.31 0.09
自動車普及率(2台以上) [ 2009年第一位 長野県 ] 0.30 0.09
果物消費量 [ 2008年第一位 青森県 ] 0.30 0.09
自殺者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.29 0.09
大腸ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.29 0.09
日本酒消費量 [ 2008年第一位 新潟県 ] 0.29 0.08
脳梗塞死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.28 0.08
イカ消費量 [ 2008年第一位 島根県 ] 0.27 0.08
自動車登録台数 [ 2008年第一位 長野県 ] 0.27 0.07
胃ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.23 0.05
大腸ガン死亡者数:女性 [ 2006年第一位 島根県 ] 0.23 0.05
交通事故死亡者数 [ 2007年第一位 香川県 ] 0.23 0.05
マグロ消費量 [ 2008年第一位 静岡県 ] 0.20 0.04
チーズ消費量 [ 2009年第一位 埼玉県 ] 0.19 0.04
狭心症・心筋梗塞死亡者数:男性 [ 2006年第一位 和歌山県 ] 0.18 0.03
前立腺ガン死亡者数 [ 2010年第一位 長野県 ] 0.17 0.03
食用油消費量 [ 2008年第一位 福島県 ] 0.15 0.02
教職員数 [ 2009年第一位 島根県 ] 0.11 0.01
ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 秋田県 ] 0.09 0.01
2005年完全失業率 [ 2005年第一位 沖縄県 ] 0.08 0.01
薬局数 [ 2008年第一位 佐賀県 ] 0.08 0.01
しょう油消費量 [ 2008年第一位 山形県 ] 0.08 0.01
バター消費量 [ 2009年第一位 北海道 ] 0.05 0.00
カツオ消費量 [ 2008年第一位 高知県 ] 0.04 0.00
チョコレート消費量 [ 2008年第一位 石川県 ] 0.04 0.00
うどん・そば消費量 [ 2008年第一位 香川県 ] 0.04 0.00
肺ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 和歌山県 ] 0.03 0.00
老衰死亡者数:男性 [ 2006年第一位 長野県 ] 0.02 0.00
狭心症・心筋梗塞死亡者数:女性 [ 2006年第一位 栃木県 ] 0.02 0.00
温室効果ガス排出量 [ 2007年第一位 山口県 ] 0.00 0.00
性犯罪認知件数 [ 2010年第一位 大阪府 ] -0.03 0.00
歯科医師数 [ 2006年第一位 東京都 ] -0.03 0.00
ビール消費量 [ 2008年第一位 高知県 ] -0.04 0.00
高齢者数 [ 2009年第一位 島根県 ] -0.04 0.00
コーヒー消費量 [ 2009年第一位 奈良県 ] -0.04 0.00
スポーツクラブ [ 2010年第一位 長野県 ] -0.09 0.01
県民所得 [ 2006年第一位 東京都 ] -0.10 0.01
牛乳消費量 [ 2009年第一位 埼玉県 ] -0.14 0.02
年間自然放射線量 [ 1988年第一位 岐阜県 ] -0.14 0.02
最低賃金 [ 2009年第一位 東京都 ] -0.14 0.02
食事時間 [ 2006年第一位 東京都 ] -0.16 0.02
読売新聞販売部数 [ 2010年第一位 埼玉県 ] -0.16 0.02
酢消費量 [ 2008年第一位 鹿児島県 ] -0.17 0.03
空気清浄機普及率 [ 2009年第一位 奈良県 ] -0.18 0.03
肝臓ガン死亡者数:男性 [ 2006年第一位 佐賀県 ] -0.18 0.03
教育費 [ 2008年第一位 埼玉県 ] -0.18 0.03
魅力 [ 2010年第一位 北海道 ] -0.18 0.03
学習塾・予備校費用 [ 2008年第一位 埼玉県 ] -0.18 0.03
1世帯あたり貯蓄額 [ 2008年第一位 奈良県 ] -0.19 0.03
砂糖消費量 [ 2008年第一位 長野県 ] -0.19 0.03
精神科医師数 [ 2006年第一位 佐賀県 ] -0.19 0.04
年間晴れ日数 [ 2010年第一位 香川県 ] -0.20 0.04
白血病死亡者数 [ 2009年第一位 鹿児島県 ] -0.21 0.04
鶏肉消費量 [ 2008年第一位 大分県 ] -0.23 0.05
100歳以上高齢者:男性 [ 2009年第一位 高知県 ] -0.25 0.06
スポーツ活動率 [ 2006年第一位 宮崎県 ] -0.28 0.08
ミネラルウォーター消費量 [ 2009年第一位 沖縄県 ] -0.28 0.08
産経新聞販売部数 [ 2010年第一位 奈良県 ] -0.29 0.08
無印良品店舗数 [ 2009年第一位 滋賀県 ] -0.29 0.08
アジ消費量 [ 2008年第一位 長崎県 ] -0.30 0.09
独居老人率(60代以上ひとり暮らし率) [ 2005年第一位 鹿児島県 ] -0.32 0.10
毎日新聞販売部数 [ 2010年第一位 奈良県 ] -0.32 0.10
朝日新聞販売部数 [ 2010年第一位 山口県 ] -0.32 0.10
タイ消費量 [ 2008年第一位 佐賀県 ] -0.33 0.11
サバ消費量 [ 2008年第一位 島根県 ] -0.34 0.11
電気使用量 [ 2008年第一位 福井県 ] -0.34 0.11
日経新聞販売部数 [ 2010年第一位 東京都 ] -0.34 0.11
緑茶消費量 [ 2009年第一位 静岡県 ] -0.34 0.12
ケチャップ消費量 [ 2008年第一位 熊本県 ] -0.35 0.12
現役医師数 [ 2006年第一位 京都府 ] -0.36 0.13
東大合格者数 [ 2009年第一位 東京都 ] -0.38 0.15
平均寿命:男性 [ 2005年第一位 長野県 ] -0.40 0.16
イワシ消費量 [ 2008年第一位 鳥取県 ] -0.41 0.17
結核感染者数 [ 2009年第一位 東京都 ] -0.43 0.18
牛肉消費量 [ 2008年第一位 和歌山県 ] -0.45 0.21
パン消費量 [ 2008年第一位 京都府 ] -0.46 0.21
エアコン普及率 [ 2009年第一位 京都府 ] -0.49 0.24
年間真夏日数 [ 2010年第一位 沖縄県 ] -0.50 0.25
年間平均気温 [ 2010年第一位 沖縄県 ] -0.55 0.31

テーマ : 科学・医療・心理 - ジャンル : 学問・文化・芸術

18:43  |  喫煙  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02/15(Wed)

優生学と人為淘汰

社会ダーウィニズムが、人間社会の動きを疑似自然淘汰(弱肉強食、優勝劣敗)に委ねようとするイデオロギーであるのに対し、優生学とか優生思想なるものは、権力による優生的遺伝子の選抜、という人為淘汰です。

何をもって「優生」(メンデル遺伝の「優性」「劣性」とは違います)とするか、権力層の思惑一つで決まります。この「優生」なる人々を「意図的に」残し、そうでないものを断種する、という政策です。

人為選択の基準:人間(優生であるかないか)
人為選択の実行者:権力層とそれに群がる御用学者など

その底流にあるというか親和性の高いイデオロギーは全体主義です。

優生思想においては、個人はその遺伝的組成でもって評価されます。
権力層の思い描く、国家、社会にとって価値のある存在(遺伝的組成)かどうか?

私たち、支配される側の人々は、人間の尊厳、という価値観でもってこれに対抗しなければなりません。
すべての人間は、人間であるという一点のみにおいて平等であり、個人としての尊厳を保証されなければならない。これが人間の尊厳という理念です。

優生思想は全体主義ですから、全体のためには個が犠牲にされるべきだ、と考えます。

この全体主義と似て非なるものが、和をもって貴しとなす、という日本古来の(とされている)精神です。
人間は社会的存在でありますから、「社会のために」という気持ちをもっています。社会的な存在感を感じられないとき、人間はストレスを感じるのです。

この社会的動物としての人間性につけ込むのが全体主義です。

確かに、個が全体のために犠牲になるべき局面はあると思います。
問題は、権力層にとっての「全体」と、私たち支配される側の「全体」は内実を異にする、という点にあります。

最大多数の最大幸福という理念(勉強したことありませんが)における最大多数とは、支配される側の私たち、と理解すべきです。個人の尊厳を理念とする社会こそ私たちにとっての「全体」です。そのためなら、自分が犠牲になっても仕方ない局面が訪れるかもしれません。

しかしながら、現実問題として、これまでの社会というのは、基本的に権力層のための社会であることは、自明のことです。
戦争など、支配される側の人々が戦争に駆り出されたり、爆弾を落とされたり、、、のようにです。

優生思想は、人類の将来にとって、、、という具合に、「全体」を配慮するように誘導します。
このときの「全体」は、権力層の都合の良い全体であることに注意が肝要なのです。個人の尊厳を踏みにじるような全体です。これは到底、許容できません。

御用学者はもちろん、マスメディア(朝日新聞とか?;クローン人間についての朝日新聞社説に関する後藤健教授の論評)、インテリ(死語か?)ぶる人々は、たいてい「全体」を配慮するような態度をしめして「善人」ぶりを見せかけます。しかし、その「全体」とはたいていの場合、権力層の都合の良い「全体」になっているのです。朝日新聞はいまだに戦前の軍国主義を煽った戦争責任をとっていません。

少々脱線したかも知れませんが、「全体」を配慮するよう求める論調にはその底流に権力層の思惑が隠されている、と私は考えています。

テーマ : 哲学/倫理学 - ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : ダーウィン 自然淘汰 イデオロギー 適者生存 社会ダーウィニズム 優生学 全体主義 個人の尊厳

12:14  |  権力の闇  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02/14(Tue)

牛乳キャンペーンの謎

確か小5か小6の頃(60年代前半)、担任の先生が給食のときに牛乳はこうやって飲みましょう、と、まるで食べ物を食べるように、カミカミ、もぐもぐ、一生懸命プレゼンテーションしていた。素直な僕なんぞは、その動作がとても滑稽で思わず吹き出してしまったような、、、。そんなこんなで、その担任からはずっと冷遇されてしまいました。

給食にはチーズが配給されることもあり、半数近くか過半数か忘れてしまったけれど(女子の方が多かったような)チーズ嫌いの子が結構おり、僕(だけではないけど)はそれを貰い受けてたらふく食った、という思い出がある。

さて、牛乳は牛の乳児の食糧で、母乳は人間の乳児の食糧だ。

離乳期以降の人間が、本来が牛の乳児のために分泌されている牛乳を飲むって、変なの!
というのが、最近の私の直感だ。

だが、この直観を正当化する論理はあるだろうか?
米やホウレンソウなどの農作物は、自然に受け入れられるから、別に人為的生産に「異」を感じているわけではない。

違和感を感じる要因として思いつくことの一つは、それは「乳児」のための食糧だから、ということにあるのではないか?

仮にだ、、、
牛乳の代わりに、女性の母乳が市場に出回っているとしたら、まぁ、おいしさは別としても(というか覚えてない!)「母乳」の方が人気が高いだろう。
もちろん、母乳提供サービスというのがあって(というか、あるとして)、まぁ、乳母みたいなものね、直接、吸飲させてくれるなら、それは「栄養」的側面は別にしても、気分的には心地よいだろう(飲む人は、成長期のこどもや成人した大人だよ)。

後者の状況は、とても異様な光景だ(個人的趣味として密室ならまぁいいか、かも)。
前者(女性から搾った母乳)にしても、いつまでそんなもん飲んでるんだ、って感じかな?

離乳期がすぎたらわざわざ離乳させているのに、どうしてまた「乳」を飲ませるのか?
牛乳ならいいのか?
人間の子供や大人に対して、牛のあかちゃんになりましょう!
ってか?

人間が牛乳を飲むのって変!という直観の背後にある論理は、どうやら、牛乳を飲む行為は、人間の生理法則に反しているのではないか、という疑問なんだね。

牛乳は離乳期以降の人体には悪影響を及ぼす、これが作業仮説だ。
これに対し、政府、酪農業界(お抱え学者を含む)は、戦後、牛乳の消費拡大を追求してきた。学校給食に導入して強制的に飲ませてきたりもした。栄養たっぷり、ということでね。
確かに、栄養分があるのは直観的にも理解できる;何故なら、牛の赤ちゃんを育てる食糧だからね。
でも、落とし穴があるんだよね。

乳がんや前立腺癌は、西洋的な病気で、これは多分、酪農製品摂取過多に起因しているだろう。
日本でも、こうした癌が急増しているけど、、、酪農製品の消費拡大と関係はないのだろうか?

テーマ : 健康食品 サプリメント - ジャンル : ヘルス・ダイエット

tag : キャンペーン 牛乳 酪農製品 乳児 母乳 乳がん 前立腺癌

13:38  |  牛乳と酪農  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02/14(Tue)

ダーウィン進化論の精髄(4)

今回は自然淘汰に関連して、学術用語と日常語の交錯に、生物学者がどのように寄与しているのか、考えてみたいと思います。
まず、社会事象を記述するのに学術用語(今の場合、自然淘汰)を用いて比喩的に表現する事例。

Googleで、<自然淘汰 site:go.jp>で検索し、らしきものとして最初にヒットしたのが、総合研究大学院大学の学長、集団遺伝学者、高畑尚之教授の「国立大学法人とダーウィンの自然淘汰」(PDFファイル)です。国立大学財務・経営センターとかいう独立行政法人があるようで、そのどこかに掲載されていました。いろいろな行政法人があるものですね。初めて知りました。その理事長豊田長康氏のブログ「ある地方大学元学長のつぼやき」はなかなかに読みごたえがあり、これから勉強させてもらいたいと思っています。

さて、この所感らしき文書の一部を抜粋します。引用文中、赤字の部分は私による強調です。
法人化した国立大学が、それぞれの歴史や地域性を踏まえ、独自の社会的な役割を期待されることに異論はない。しかし、高等教育の在り方に対する明確な国策がないと機能分化によって多様化した国立大学は、ダーウィン的な「自然淘汰」の対象となるだけだ。(中略)
  種内の多様性(変異)には、その種を取り巻く環境からみて次世代を残す上で良いものと悪いものがある。生存競争の結果良いものは保存され、悪いものは捨て去られる傾向にあることを、ダーウィンは自然淘汰と呼んだ。自然淘汰は種内の多様性をふるいにかける。環境が一定のままで自然淘汰が働き続けると、多様性は枯渇しその環境に最適なものだけが生き残る。実際の場合に多様性が枯渇しないのは、突然変異による継続的な供給のためだ。
 国立大学の法人化以降の状況は、このような生物進化のプロセスに酷似してきた。新制大学のもとでは淘汰すべき基準がなかったし、もともと淘汰の対象でもなかった。
国立大学が法人化され、優勝劣敗の篩にかけられるようになったことを表現するのに、自然淘汰原理を引き合いに出すのは、的確な比喩であるとは私は思いません。優勝劣敗が自然淘汰による生物進化に酷似していると彼は述べていますが、酷似することになってしまったのは、彼が自然淘汰概念を通俗的な(世間的に誤解された)内容に近づけて表現したためです。それは、「良いものと悪いもの」という具合に価値観を(恐らく彼の意図ではないでしょうが、多分に筆のすべりとして)織り込ませてしまっている点に端的に表れています。

高名な集団遺伝学者ですから、自然淘汰についてももちろん一級の理解をされているはずですが、このような形で何らかの社会的所感を表明する際に、通俗的表現に妥協してしまっているのだ、と思います。こうした一つ一つの作業を通じて、学術用語の誤解釈が一般のひとびとに普及してしまうのでしょう。

権力による社会ダーウィニズムの喧伝や、売らんかな主義のサイエンスライターによる御解釈の普及に比べると社会的効果は小さいかもしれませんが、専門家の発言は権威付けの側面がありますから侮れません。

これに対し、ドーキンスの利己的遺伝子の場合は、「利己的」という日常用語を学術用語に転用して、一般の人々に混乱を巻き起こしたものと言えます。霊長類学者フランス=ド=ヴァールの言葉を借りると次のようです。なお、訳文は、帯広畜産大学後藤 健教授の「なわばりから群れへ」に記載されているものを引用します。
・・・ドーキンスは彼の比喩は比喩ではなく、本当に遺伝子は利己的なんだ、と弁解し、利己性をどのように定義しようと勝手だ、と言い張った。しかし、彼は、用語を全然異なった分野から借用し、とても狭い意味でそれを使ったのだ。こんなことが許されるのは、二つの意味がどんな時でも交錯しないときに限られるだろう;だが、不運なことに、二つの意味は混合し、このジャンルの幾人かの著者は、「ひとびとが彼ら自身のことを非利己的だなどと言おうものなら、おお!貧しい魂よ!汝は自己欺瞞に陥っているに違いない」とまでほのめかすまでにもなったのである。France De Waal, Good Natured The Origins of Right and Wrong in Humans and Other Animals, 1996 より(訳書あり)
遺伝子が同一ゲノム内の他の遺伝子と生き残りをかけて競争しているか、これは現在のところ想像の域をでないアイディアといっていいでしょう。自然淘汰の対象は個体としての適応度です。ゲノム内の遺伝的組成が調和を保持していない限り適応度は低くならざるを得ないのではないでしょうか:ここで、「調和」は、ゲノムとして適応度を損なわないような遺伝的組成、という意味合いで用いています。

いずれにせよ、自然淘汰の直接の対象が個体である限り、個々の遺伝子は適応度という基準で選抜されざるを得ないのです。つまり、一つの遺伝子を他の遺伝子と切り離した形でその繁栄ポテンシャルを評価することは、とても不自然のように思います;その遺伝子の適応度に対する影響は、他の遺伝子がAであるかBであるか、或いはどの染色体に乗るか、、、、等々のゲノム組成における位置づけによって左右される、と考えるのが自然だと思います。

さて、主題に戻りますが、利己的遺伝子論にはドーキンス自身が人間の遺伝的本性を利己的オンリーと考えている旨の表現があります。生物は確かに本性(つまり生物の遺伝的性質)として増殖しようという特性を持っています。生物の目的 The ENDは増殖です。人間もこの特性をもちろん持っています。しかし、知能をもつ生物であると、もう一つ別格、別次元の目的を持っているのであって、この場合にはそれをPURPOSEと呼ぶのです。知能が構築する目的Puposeは、生物の遺伝的に規定された目的Endとは全く次元を異にしていることに注意してください。

意識の中の「利己」と生命の目的endとしての増殖追求を混同してはいけません。

ドーキンスはこれを(作為的にか?)混同させ、遺伝子という物質に「意志」をもつかのような用語を割り当てたのでした。混乱は避けられません。

以上、両方向への用語の転用を概観してみたのですが、私としてはとても残念に思います。

第一に、誤解を解くために、大学での教育に無駄なエネルギーを割かざるを得ない。
第二に、一般のひとびとが科学的知識を得る上で大きな障害となっている。

生物学の概念には、難しいものは殆どないし、一般の人々にも親近感のあるものが多いだけに、こうした状況はとても憂うべきことだと思います。しかし、以上、二例でみたように、生物学者自身が煙に巻いているという現状を思うと、その改善は絶望的に不可能だといってよいのかもしれません。

テーマ : 教育 - ジャンル : 学校・教育

tag : 自然淘汰 ダーウィン 学術用語 ドーキンス 利己的遺伝子 End Purpose

00:25  |  進化の機構  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
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